JR四国乗り潰し&東京九州フェリー乗船記(2023.05.02~2023.05.06)

どうもみなさま、78Pでございます。

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misskey.Backspace.fmでの事前告知と投票の通り、2023年5月の旅行についての備忘録です。

 

なお、この記事はBackspaceKey Advent Calendar 2023(1)の12/19分として投稿しております。他にも素晴らしい記事が多数掲載されておりますので、以下のリンクから是非ご一読くださいませ。

adventar.org

adventar.org

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はじめに

まずは下の画像を見てください。2016年3月からちまちまと乗り潰しの区間・日付の記録をしておりまして、2023年4月末時点でこのようになっております。

 

マップ作成:乗りつぶしオンライン

 

見ればお分かりいただけるでしょうか?

四国が全くの手つかずだ、ということです。というわけで、GWを利用してJR四国を乗り回すことにしました。

また私は5月生まれなのですが、JR四国にはこんなものがあります。

 

www.jr-eki.com

 

詳しくはリンク先を確認していただきたいのですが、要は

・誕生月のうちの連続3日間*1

JR四国全線と直通列車のある一部路線と一部バス路線、

・特急列車を含め乗り放題

というものになります。さらに

・(グリーン車用は)指定席・グリーン車が「(空きさえあれば)無制限で」乗り放題*2

となります。でもお高いんでしょうって?

こちらグリーン車版が13240円(旅行当時。執筆時点では15000円)でございます。ちなみに同行人用のきっぷもあります。まあ私には縁は…いつかあるといいなあ…

参考までに高松~松山を特急の自由席で往復すると11520円(同12320円)、高松~高知は同条件で11040円(同11840円)になります。うーん、安い。

これをフル活用すればJR四国乗りつぶしは3日間の有効期限は余裕をもって終わらせられますし、なんならある程度何かに振り分けることもできます。

 

そしてもう一つやってみたいことがありました。

 

tqf.co.jp

 

横須賀と北九州を直通する定期フェリー便、東京九州フェリーに乗りたいなと。その気になれば両立できるんじゃないかな?という気がしたので旅程を組んでみました。

結論、可能。ただし、観光する時間はほぼなし。観光列車も無理。

というわけで各種旅行サイトから予約を叩きこみ、行くことにしました。観光?またそのうち行けばいいじゃん?

本当は普通に観光したかったんだけど、いつの間にかJR四国乗りつぶしに変わってしまいましたねー…なんでなんでしょうねー…

そのためにサンライズ10時打ちしたし…

ちなみにJR四国乗りつぶし自体はサンライズを取って数日後から検討し始め、旅程確定は4月中旬だったりします。これで泣きを見ることがあったのですが、またそれはのちほど。

5/2~5/3(0日目~1日目)

寝台特急 サンライズ瀬戸 琴平行 熱海23:23→坂出7:09

四国入りは数少ない寝台特急サンライズ瀬戸を選択しました。部屋は寝台、と言っても最も安く狭いソロです。鞄を置くのが何とか、という空間はありますが屋根が低い部屋で寝るだけのものです。それでも雑魚寝のノビノビ座席よりははるかに快適ですが。

今回の部屋のソロ。ベッドだけで1室がほぼ埋まっている。

 

さて岡山以東は何度か乗ったことがありますが(何ならこの2週間前に乗りました)、岡山から先を乗るのは実は初めてです。

瀬戸大橋を通過中

 

児島から朝の瀬戸大橋を渡り四国へ。渡った先の坂出で下車しました。

 

グリーン車に当たる区間は購入時に一緒に予約していましたが、その後細かい旅程を詰めた分については予約していない(というかバースデイきっぷ指定券の予約はJR四国の駅でしかできない)のでここで予約しました。

すると、

「これは満席ですね」

すみません、GWでも高知の末端なら当日でも取れると思ってナメていました…。

1本前なら空いているとのこと。旅程に影響しないので、こちらにします。なお代償で高知市内の自由時間が消えました。あとグリーン車まで乗れるきっぷで自由席に乗るには負けた気がするし…そもそも自由席混んでいそうだし…

 

坂出の改札でバースデイきっぷを見せて、使用開始です。

普通 観音寺行 坂出7:26→宇多津7:31

まずは高知に向かいます。高松からの特急は坂出にも止まりますがグリーン車がないこと、グリーン車のある特急は坂出を通らないため、隣の宇多津へ。意外と混んでいました。

ここから1枚目の特急券を使います。

特急 南風1号・しまんと3号 高知行 宇多津7:48→高知9:39 

自由席の号車はデッキまで人がいるようですが、今回は無縁です。

JR四国は疎かったのでまずいきなりびっくりしました。岡山からの南風が3両、高松からのしまんとが2両とは…。てっきり4+3の7両くらいかと思っていました。そりゃあ混むわけだわ…。*3

 

連結を見届けてからグリーン車へ。…あれ?

私「すみません、そこ自分の席です」

おばあさん「あー、ごめんなさいね(隣に移動)。空いてたものですから…」

…とりあえず空けてくれたので座りましょう。

 

さて、座ってみた感想は何とも快適。東北新幹線の主力、E5系のものと同じ座席を使っているそうですがこちらは未経験ゆえ…。ちゃんとコンセントもあります。

 

多度津から土讃線に入り、琴平を過ぎると都市部を離れます。車窓には一面の緑が広がる区間でもあります。険しい四国山地を越える区間に入りました。

JR四国の路線は他のJR線の中でも特に急なカーブが多いのが特徴です。急なカーブが多いと速度が上げられない、つまり所要時間の増加に繋がることになります。高速バスなどの他の交通機関やマイカーでの移動も多々あるため*4、これに対抗すべく四国の特急列車に使われる車両の大半は急カーブを高速で通過できるような仕組みを備えています。

阿波池田付近で吉野川を渡る。この付近はつの字をした線形をしている

 

徳島の最奥部に近い阿波池田を過ぎると大歩危小歩危越えに入ります。自動放送でも紹介される、四国でも指折りの車窓が良い区間です。*5

小歩危付近

 

大歩危付近

 

大歩危を過ぎてもしばらく吉野川沿いの渓谷を進みます。ちょうどGWだったこともあり、川を跨いで鯉のぼりをかける集落もありました。

 

山を下ると15分ほどで高知着。険しい山越えでしたがエンジン音を聞く限りは余裕があったように思います。一方でやはり急カーブの連続であり、四国特急の特徴を存分に満喫できる区間の一つでしょう。

 

ところで、宇多津で私の席に座っていたおばあさんは丸亀で空いた席へ、琴平発車後の車掌の検札でグリーン券を持っていないことでグリーン車を追い出され(もしかしたら特急券すら持っていなかったかもしれませんが)、デッキの隅に座っていました。空いていたから座っていたとのことですが、さすがにあんまりでは…。聞き分けが良かっただけまだマシでしょうが…。

 

高知駅に来たら何としても見たかったものがあるのでいったん改札を出ます。ちなみに駅コンコースにはアンパンマンが多数いました。

 

大歩危アンパンマン列車の南風とすれ違っていた

 

坂本龍馬、武智半平太、中岡慎太郎の幕末の三志士が南口広場にあります。2010年の大河ドラマ龍馬伝」に合わせて造られた像で、放送終了後に撤去する予定でしたが人気の高さから常設で置かれています。発泡スチロール製のため、台風接近時に撤去されることでも知られていますね。



ついでに職場と家族への土産を購入しました。

www.tosa-aoyagi.com

ぱっと見で良さそうなこれを選択。高知に行ったことが分かりやすいですね。滞在時間?知らない。

 

購入を済ませたらホームに戻ります。どうやら次に乗る列車は当時放送中の連続テレビ小説「らんまん」のラッピング車両のようです。後ろ1両だけラッピングがありませんでしたが…。*6

中村で最後尾がラッピングじゃないことが判明した
特急 あしずり1号 中村行 高知9:53→中村11:32

高知の一連の動きを14分で済ませました。いや、11:42発のあしずり3号(坂出で満席と言われたやつ)を諦めた結果がこれなのですが…。

 

製造から30年ほどの古い車両ゆえか、南風の車両と比べて「頑張って走っている」感がエンジン音から伝わります。全盛期は四国の主要幹線、さらに岡山にも乗り入れていましたが現在は末端へのんびり…というほどでもないようです。

 

無人駅も少なくないようで、車掌がふらつきながら前や後ろを往復し、放送と検札しています。南風に乗っているときも思いましたが、車体がふらつく中行ったり来たりするのは非常に苦労されているかと思われます。*7

 

高知は全国でも屈指の山地が多い県とだけあってか、海岸からそう遠くないにもかかわらず海が見えるところはほとんどありません。むしろ山間の集落を転々と繋いでいる印象があります。

次の乗り換え列車は途中の窪川発ですが、終点中村まで乗って折り返しても間に合うのでそのまま中村へと向かいます。JR四国の路線からは離れ第三セクターの路線に入りますが、バースデイきっぷはそのまま使えます。

 

こちらのほうが海が見える区間は多いです。南国、というより夏の海の印象が強いように思います。

佐賀公園~土佐白浜にて



定刻に中村着。昼時ですが食事処が見当たらず、昼はコンビニ飯になりました。

 

普通 窪川行 中村12:03→窪川13:05

先ほどの区間を折り返す形になります。学生や老人など地元の人と思しき人がぽつぽつ乗っていました。

のんびり車窓を見るなら普通も乙なものです。青春18きっぷで乗り潰しは学生の時に何度か検討しましたが、今後やる機会はあるのやら。

浮鞭~海の王迎にて



今回はなるべく乗り換えに余裕があるときは駅の外に出るようにしていますが、その際にあった出来事をば。

 

「すみません、お願いしまーす」←駅の外5分くらいで改札に入ろうとする私

「あの、どこに行くんですか?」←不審がる駅員

宇和島に行きます」←間違ったことは何も言っていない私

「あっ失礼しました、どうぞ」←駅員

 

まあ、16分の待ち時間だと駅の中で待つのも珍しくないでしょうからね…。

 

普通 宇和島行 窪川13:21→宇和島16:00  (しまんトロッコ連結)

JR四国の最閑散路線、予土線。乗り通せるのは1日4本しかないため、時間帯が良いこの列車はかなり混んでいました。といってもこの時期ですら座席がほぼ埋まる程度なので、概ね察しが付く程度の閑散具合なのですが…

またこの列車には後ろに観光列車をつないでいます。こちらはまだ乗れないので、しばらくは前の一般車両に乗ります。

 

30分ほどで土佐大正着。ここで車掌がトロッコのロープを外し、乗れるようになります。トロッコは全席指定ですが、坂出で眺めの良い進行方向窓際の席を押さえられました。ほぼ満席だったのでかなり運が良かったと言えるでしょう。

ゆっくりと揺られながら風光明媚な車窓を眺めていきます。四万十川に多い沈下橋が時折見えたり、やはり鯉のぼりがかけられたりしていました。

土佐大正~土佐昭和にて

十川駅はホームにも鯉のぼりがつるされていた

中半家沈下橋。やや線路から離れている

 

ただ暖かい春の陽気ですが、トンネルに入ると寒いのが欠点ではあります。

ロッコの乗車は50分ほど、江川崎で終了です。前の車両に戻ります。前の車両に乗っていたのは10人もいなかったあたり、大半がこれ目当てのようです。

 

朝早くから動いているからか、江川崎を過ぎてからしばらく微睡んでいました。平凡な閑散路線になり車窓も木々の中を通るだけ、という感になったのもありますが…。

 

江川崎から1時間ほどで宇和島着。次の列車は乗り換え時間が短く、また行き止まりのホームをぐるりと迂回する形になるため急いで移動する形になりました。

 

特急 宇和海22号 松山行 宇和島16:02→八幡浜16:33 (アンパンマン列車で運転)

「みなさん、こんにちは!ぼく、アンパンマン!」

録音テープからいきなりこれが流れます。もちろんアンパンマンの声*8アンパンマンのマーチも完備。

車両のインパクトもあって、なかなかド派手です。

 

まあアンパンマンの声で全区間やられたらしつこいのか、最初の放送の後の案内は普通の録音音声か車掌の放送のどちらかなのですが…。

 

この辺りから個人的に気になる点が一つあり、乗っていてあまり印象に残らない区間でもありました。ただ南予でよく見られる、高台までミカン畑と集落が続く風景は確かにきれいではあります。

モバイルバッテリーが充電切れ。そしてスマホの電池がこのまま使っていると松山まで持つか怪しい、と。

 

由々しき問題です。四国特急は新型車両でならコンセントがついていますが、それを信用してモバイルバッテリーは満充電していませんでした。それが中村から窪川に戻る最中に切れてしまい、そして今の残量も…うん。

次の列車は何としても撮っておきたい車窓がありますし、松山から乗る特急はコンセントがついていると記憶しているのでそこまでなんとかしましょう。

八幡浜の手前で高台まで続く集落を見渡せる
普通 松山行 八幡浜16:45(16:52?)→伊予市18:11(18:20?) (伊予上灘回り)

 

混雑による接続待ちの列車が遅れたため、こちらも遅れての発車になりました。新幹線からの乗り換えやさらにその先の特急の乗り換え待ちがあること、また路線網のほとんどが単線(一部の駅でしかすれ違えない)のJR四国では、こうした遅れが広範囲に及ぶことが多々あるようです。

運転しているのはどうやら見習いらしく、指導教官にレクチャーしてもらいながら運転や後者の際の対応をしています。ちょっと駅の停車が急だったり、駅停車中の対応に手間取ってさらに遅れたりしているので、おそらく運転士になったばかりなのでしょう。

大洲のシンボル、大洲城。大洲自体が古い町並みを残している

さて、伊予大洲から松山の手前、向井原までは路線が2つに分岐しています。先ほどまで乗っていた宇和海は山間部を突っ切るルートを取りますが、こちらは山間部を回避して海沿いを通ります。

 

さて、この区間で最も有名、というより全国で広く知られた駅がこの区間にあります。

灘駅です。かつては海に最も近い駅として、今では松山市内からほど近いドライブコースとして*9、夕陽を見に訪れる観光客が多い駅です。

 

日没まであと1時間ほどでしょうか。…わお。

100人はホームにいるのでは、と思わせるほどたくさんの人(と路駐の車)がいました。乗ったのが10人ほど、というのが悲しいところ。まあ1~2時間に1本あるかどうか、という駅なので車で来る人が多くなるのも仕方ないところではあるのですが…。

 

 

やや遅れが広がって伊予市着。松山行ですがここで特急を先に通すこと、この普通列車では松山で乗り換えが間に合わないためここで乗り換えます。ちなみに遅れていなくても同じプランになります。

 

特急 宇和海24号 松山行 伊予市18:24(18:26?)→松山18:34(18:40)

一停車駅間なのでわざわざ指定席は取らず、ここは自由席に乗ります。ルール上はここで指定券を取っても問題はありませんが、流石にそこまでしなくてもいいだろうと。案の定2/3ほど空いていたので問題は特にありませんでした。

松山手前で遅れている松山止まりの列車の停車を待つためしばらく停車し、遅れが広がりました。

次の乗り換えもタイトではありますが…ホーム前方への乗り換えなので待ってくれるでしょう。というより、この列車の足止めを食らわせた原因なので待ってくれないはずがありません。

そしてここでようやく念願のコンセントが…コンセントが…!

松山止まりの特急が同じホームに並ぶ。遅れていたこともあり、どちらも10分かからずに折り返し列車が発車した
特急 しおかぜ30号・いしづち30号 岡山・高松行 松山18:39(18:45)→多度津20:42(20:50?)

 

…コンセントが…ない…だと…!?

なんてこった。ここまで電池はなんとか持った(し最低限は写真が撮れた)がさすがに2%で多度津まで持たせるのは無理がある。*10

 

しおかぜ・いしづちで使う車両は2種類あるのですが、今回乗る古いほうは「普通車に限り」端の席にコンセントがあるそうです。新型車は全席にコンセントがあります。

そんなことを知らずに、というよりグリーン車なら全席コンセントがあると思っていた私、途方に暮れる。ほぼほぼ日没に近く、車窓も望めない…と。

 

帰りに乗るフェリーで読むつもりだった本を持ってきていたので、それを読みました。

読んだ本はこちらです。

bookclub.kodansha.co.jp

 

旅行中に読む本じゃない、という声は受け付けません。内容は…まあここで触れるのはやめましょう。

 

時折ある行き違いの列車を見ると、特急でも少しずつ空いていくのを感じます。一方こちらでのグリーン車は16席中埋まっているのは5席、当分誰も乗り降りしないため放送が虚しく走行音に消えていきます。むしろ、通路のドアがちゃんとしまっていないのかひたすら振動音がします。

 

3/4ほど読み進めたところで多度津着。もうそろそろ宿に入りたいところですが、もう少し進む必要があります。

 

また伊予大洲伊予市の特急の通らない区間は本数が少ないためダイヤ乱れの際は特急で迂回することも考えていましたが、無事予定通り進んだので特急の通る方の指定券を予約しました。同じグリーン車に乗っていた若い女性が先に窓口に向かっていました。明日の松山までのグリーン券を所望していました。この辺りで泊まるのかな?

 

特急 南風25号 高知行 多度津20:59(21:08?)→阿波池田21:37(21:45)

 

グリーン車に乗るとなんと先客は誰もいませんでした。多度津からは私ともう一人、しおかぜを多度津で降りて窓口に向かっていた女性です。この人は宇和海から乗り換えていたのを見たので、少なくとも伊予市からずっと同じということになるようです。

 

さてようやくコンセントを確保できました。電池はギリギリ持ったので、本を持ってきておいて正解でしたね。

 

今朝乗った区間ですが、車窓からはもはや何も見えません。琴平到着時の金毘羅山参りの放送も、この時間ではさすがに意味がないでしょう。

 

8分ほど遅れて阿波池田に到着、今日の移動はここまでです。駅から歩いて10分ほど離れた宿に投宿しました。

 

ちなみにもう一人のグリーン車乗客を降り際に見てみると、すっかり寝落ちていました。明日の午後のしおかぜで多度津→松山と乗るようですが、このまま高知方面に向かい続けるとなるとどこまで向かう予定なのでしょうか…?

 

さて、晩飯はどうしましょうか。近くにコンビニはありますが、とりあえず商店街に行ってみましょう。



うーん、真っ暗…コンビニ飯か…と思いきや、ひっそり空いていた居酒屋に滑り込みました。ラストオーダー手前に飛び込んでビール1杯と1品だけ頼むと店員から怪訝な表情をされましたが、まあ気にしては…いけないでしょう。



5/4(2日目)

コンビニで買ったカップ麺をかきこんで5時半前に宿を離脱しました。本日の理想的なプランを取るとなるとこうするしかなかったのですが、なかなか辛いものがあります。もちろんリカバリーのプランは用意してありましたが、それでも7時前の列車がリミットです。

 

この辺りは「サラダ」が正式な地名のようです。珍地名として聞いたことはありますが、まさか駅近だったとは。



ともかくも阿波池田から乗り潰しを再開します。まだ駅員はおらず、そのまま乗り込みます。

 

普通 阿南行 阿波池田5:47→佐古7:33

3両編成ですが、ほとんどスカスカ…と思いきや学生が何人かいました。

 

阿波池田から昨日のルートを一駅戻り、そのまま吉野川沿いに下る徳島線に入ります。途切れ途切れながらは見えるか…と思いきや、意外と見える区間は少ない印象がありました。

江口~阿波半田

 

学生の乗り降りがメインですが、すぐに降りる人は前側へ、降りない人は後ろ側へという暗黙の了解でもあるのか、私が乗っている真ん中の車両は私しかいない時間帯が長く続きました。

 

ちなみに阿波川島で行き違った特急はほとんど窓際が埋まっていました。ほとんどがお年寄りですが徳島からツアーか何かでもあったのかと思われます。

 

徳島の一駅手前、佐古で乗り換えます。

 

普通 鳴門行 佐古7:34→鳴門8:09

今日のキーポイント1つ目、鳴門線をいつ乗りつぶすかです。後の予定の関係で阿波池田で先ほどまでの列車に乗れなかった場合は夜に回すことになりますが、間に合ったので明るい時間に乗ることができました。

 

とはいえ、実態としては地味な郊外路線という趣の強い路線ではあります。終点の鳴門駅も住宅街の中で、鳴門海峡はもちろん見えません。

列車で鳴門を訪れる観光客は少ないのでは…?



普通 徳島行 鳴門8:14→徳島9:03

駅舎までは向かいましたが、すぐさま折り返しの列車に乗ります。鳴門駅近くの運動公園で何かイベントがあるらしく、折り返しの列車は空いていました。

 

5時起きだったために眠たく、次第にうつらうつらとしていました。

定刻に徳島着、そのままみどりの窓口に向かいます。無事に鳴門線に乗れたため、本日の予定が確定しました。

手際よく発券してくださったため、少しだけ駅の外に出ます。

ポケモンセンターが(臨時で)開設されていました。実質タンバシティですね



普通 阿波海南行 徳島9:30→阿波海南11:38

徳島の東海岸沿いを進む牟岐線は、途中までは本数がそれなりにありますが末端部は存廃議論がなされるほどの閑散路線になります。

とはいえ3時間半ぶりの全線通し列車、さらに1両で来たこともあってかかなりの混雑で徳島を発車しました。軽く駅前を見ただけで戻りましたが、早めに並んでおいて正解だったようです。

少々乗り降りはあったものの空いてきたのは1時間半後の日和佐からで、徳島から立ちっぱなしだった客もいたようです。なかなか落ち着かず、車窓を見るといったこともできませんでした。帰りにゆっくり見るとしましょう。

 

さて、阿波海南はJR四国の路線網としては行き止まりです。折り返しですぐ徳島まで戻れますが、ここには日本唯一のものがあります。

 

Dual Mode Vehicle、DMVと呼ばれるものがここから出ています。線路の上も走れる特殊なバス、といった感じでしょうか。

かつては阿波海南駅からまだ線路が続いていましたが、DMVの専用路線化で線路がここで途切れ、ここでバスモードと鉄道モードに切り替えられます。

日本唯一とあってか、これを見に来る人もいました。

 

見るだけじゃもったいないので、これに乗ります。

 

阿佐海岸鉄道DMV 海の駅とろむ行 阿波海南11:48→室戸岬13:05(13:11)

DMVは大半は10kmほど鉄道モードで進み、残り数kmをバスとして道の駅まで結び室戸岬やその先まで結ぶバスに連絡しています。

ただし土曜休日に限り1往復が室戸岬の先まで直行するため、これに乗るプランを立てたということになります。

 

阿波海南駅そばのバス停で人を載せると、すぐに鉄道モードに切り替わります。阿波踊りの囃子を流しながらモードチェンジを行うさまはいささかシュールです。

 

そしてゆっくりと、バスでは通常あり得ない「ガタン、ゴトン」という音を響かせて進みます。

 

20分ほどで線路は途切れ、またモードチェンジを行いバスモードに戻ります。そこから先は普通のバスとして道路を走ります。

 

乗ってみると、一発ネタの域を出ないよなあ…。という感があります。鉄道駅自体が高架にあり日常利用が難しく、そもそも地平の道路に路線バスがある、そもそもバスが小さく座席もかなり狭い(荷棚もない)となると、「もうこれ普通のバスでいんじゃない???」と思わざるを得ませんでした。モードチェンジも外から見ていると面白いですが、中では(切り替えている様の紹介映像が流れるとはいえ)一瞬車体が低くなる衝動があるだけに過ぎません。室戸岬まではバスモードで揺られる時間が50分近くあるのもその印象を強くする、というのはあるでしょうが。

 

全席予約制で早々に満席になったはずですがちょくちょく空きがあります。バスモードになってから乗る人も少数いましたが、直前でキャンセルしたのでしょうか。予約なしで乗る人もいました。

高台にある中岡慎太郎像。岬のバス停の目印にもなる



これがあってか室戸岬着が少々遅れました。折り返しに乗らないといけないので、ただでさえ短い自由時間がさらに削られました。

 

四国の南東端、室戸岬。山地が海に沈みこむ地点であり、奇岩が目立ちます。

 

波打ち際に行くよりも、むしろ奇岩を眺めるほうが綺麗かもしれません。急に水深が深くなる海なので、海は濃い青をしています。



本当は高台の灯台から見るのが良いのでしょうが、折り返しのバスもあるので案内所併設の避難タワーから見るだけにとどめてバス停に戻ります。迷ってバスがぎりぎりになりましたが…。



阿佐海岸鉄道DMV 阿波海南文化村行 室戸岬13:54→阿波海南15:11

戻りは海側にあたる進行方向右側の席が取れたので、のんびりと車窓を見ます。

この付近は四国88か所礼所巡り、いわゆるお遍路の通り道であり*11、白衣を着て菅笠を被り金剛杖をもって歩く人を何人も見かけました。

海岸沿いまで山が迫る地形が続く



途中何か所か観光地スポットを通ります。特に有名なのはむろと廃校水族館でしょう。文字通り廃校になった小学校を利用した水族館として知られています。

水族館の建物

こちらは時間通り阿波海南に到着。大学生らしい人にDMVのアンケートを答えると、50分待ちをどう潰すかということになりました。ならば室戸岬での滞在時間を長くしてもらえないかな…。(アンケートでも答えました)

 

結局近くのドラッグストアで食料を買い込み、そのまま徳島行きに乗り込みました。

 

普通 徳島行 阿波海南16:08→徳島18:11

 

行きよりはだいぶマシとはいえ、こちらも混んでいました。今朝から5度目の同じ形式の車両、あまり座り心地がいいとは言えませんが座れただけありがたい話でしょう。

 

牟岐線もわずかではありますが特急列車があります。今朝方乗った徳島線でも思いましたが、特急が走るだけありローカル線級でも意外と飛ばす印象があります。予土線が単に遅すぎる可能性も否定できませんが…。

 

海からはそう遠くないところを走る路線ですが、車窓はさほど期待できるものでもありません。行きと違うのは阿南から車掌が乗務するようになっただけくらいのものでした。

 

特急 うずしお26号 高松行 徳島18:30→高松19:37

 

特急に乗るのは本日はこれ1回だけです。

 

南風に乗った時も感じましたが、新型車両はJR東日本の特急車両のイメージを強く受けます。2段式のLED表示器、動くヘッドピラー、「ドアが閉まります」のおばさん声…*12。しいて言うならリクライニングをしないとあまりにも直角すぎる座席ではない、くらいの違いはあります。

ヘッドレストや通路の表示で指定席と自由席を識別させている



流石新型車両、どこか余裕を持って走っているという印象を受けます。スピード感を感じないと言えなくはありませんが…。

ただ時刻は日没間際、高松までに目立った都市も少なく、ぼんやりと外を眺めてもただひたすらどんよりとした車窓が続きます。車窓を撮ったのも徳島便と思われる飛行機を捉えたくらいです。

 

定刻に高松着。今日はここで泊まります。

高松に住む友人から晩飯の誘いを受けて一杯。なかなか良い居酒屋でした。



が、宿は…チェックインしようとするとサウナにでもあたったのか救急搬送されるところを目撃したり、何気なくつけたブラウン管テレビが(なぜか無料で視聴できる)アダルトチャンネルに合わせてあったり、そもそも設備が古く思うように使えない…

次高松で泊まるならここはちょっと、と思わざるを得ませんでした。カプセルホテルで安かったからにしてもね。

 

5/5~5/6(3日目~4日目)

高松、香川と言えばうどんでしょう。チェックアウトして朝ごはんにでもしましょうか。

とはいえ朝早くからやっているうどん屋は少なく、事前に目星をつけてから行ったのですが…

まさかの30人待ち。休日の朝7時です。夜に開いている店は少ないとは事前に把握していたので朝にしましたが、これはさすがに諦めざるを得ない…。

 

ともかくも食料を買い込み、高松駅から四国最終日スタートです。

 

それにしても、高松は頭端式の大きな駅ですね。かつては岡山側、宇野との対岸を渡す宇高航路の乗り場が駅すぐそばにあった雰囲気を感じさせられます。*13

特急 いしづち1号 松山行 高松7:37→松山10:06(宇多津~しおかぜ1号を併結)

松山行の特急はこの前に2本ありますが、グリーン車がついていないのでこの列車を選択しました。やはり空いていて、3人ほど乗せての出発です。

 

1日目で南風を乗った宇多津で岡山からの特急をつなぎます。引き続き先頭車にはなりますが、割り当てられた席が後方であることもありあまり前面展望は見えません。

 

多度津からは1日目の夜通ったのと逆に進むことになります。海側の席なので、ゆっくり瀬戸内海でも眺めながら…と思いきや、意外と見える区間はありません。多度津の先ではかなり海の近くまで寄ってくれるだけに、少し拍子抜けします。

海岸寺詫間



ところで車掌の声と案内に聞き覚えがあります。

「次、11分ほどで新居浜に止まります。新居浜伊予西条、壬生川の順に止まります。」

おとといのしおかぜ30号では、

「次、4分ほどで高瀬に止まります。高瀬、詫間多度津の順に止まります。」

JR四国の自動放送は簡素なものなので、車掌による追加の案内がほぼ必ず入ります。車掌のこの放送で(た、がつく駅ばっかりだな)、ということで耳に残っていました。

車掌の名前はさすがに覚えていませんが、見回りの時の風貌といい、声質といい、間違いなく一昨日の松山→多度津で乗車したしおかぜで乗務されていた人でしょう。どういう勤務スケジュールかは知る由もありませんが、お疲れ様です。

 

伊予北条前後でも海が見える程度で、基本的には中小都市を結ぶ路線にありがちな車窓が続き、ようやく松山に滑り込みました。

 

残りのJR四国で乗っていない区間伊予市~内子~伊予大洲のみ、ホーム前のほうでスタンバイしている宇和海伊予大洲まで乗れば全線乗車達成です。

そしてそのまま引き返すなり、下灘で途中下車するなり、観光特急「伊予灘ものがたり」に乗車するなりできます*14。帰りは無難に松山空港から…でしょうか。もちろん岡山まで引き返して新幹線という手もありますが。

 

さて、ここでタイトル、または本記事の冒頭に戻りましょう。

東京九州フェリーに乗りたい。

なので、これで帰ります。これに間に合うように…としても、3時間ほど余裕があったりします。*15

 

というわけで松山観光…ではなく、伊予鉄の郊外線を乗り潰しました。

大手町での郊外線と軌道線の平面交差

 

三津浜のあたりは曇っているながらもなかなか綺麗でしたが、そうはいっても松山市内の郊外輸送程度なので乗り潰しの進捗を進める以上の意味合いはあんまりありません。

郡中線の終点、郡中港伊予市駅にほど近いところにあります。ここから乗り潰しの最終ランナーに乗りましょう。

…なんかしれっと遅れていますが、まあいつものことでしょう。

特急 宇和海15号 宇和島行 伊予市13:32(13:35)→八幡浜14:10(14:13?)

伊予市の隣から最後に乗り残した区間になります。もとは下灘を含む海側のルートしかありませんでしたが、1985年に山間部を通るルートが開業し今の最短・最速ルートはこれから通るルートになります。

概ね土木技術が成熟した時期の路線のため、トンネル・橋をふんだんに使いなるべく高速で運転可能になっています。製造から30年を超えるディーゼルカーが、その設備の恩恵にあずかりエンジン音を高くうならせて走る様はまさに激走、いや「爆走」という表現が正しいでしょう。それぐらいスピード感を感じさせる走りでした。*16

といってもこうした走りを見せるのは15分にも満たず、あとは四国の厳しい路線事情らしい峠越えと急カーブが続く区間になります。決してこれも遅くはないのですが、伊予市からの爆走が衝撃的とも言えるだけに物足りなさを多少感じます。

 

…まあ、有識者に言わせるとそんなわけないとのことですが。素人故分かりません。

 

14:04ごろ到着した伊予大洲JR四国を全線乗車しました。3日間で全くの0から全線乗車しました。私鉄は…またいつか四国来た折にでも。

 

引き続き宇和海に乗り、次の停車駅の八幡浜で下車。ここでバースデイきっぷの役目は終了です。3日間で運賃分だけで元を取った計算なので、特急券まで含めればその倍くらいは乗ったはずです。詳しく計算してないけどたぶんね。

 

さて九州と四国はもちろん陸上では繋がっていませんが、いくらか航路があります。今回はその中でも宇和島運輸フェリーの八幡浜臼杵便を選択しました。八幡浜駅からフェリーターミナルまでは多少離れていますが、歩けない距離ではありません。バスもありますが本数が少ないので、歩きたくない場合はタクシーになるでしょう。

唐突にある「安全ビル」。所以が気になる



市街地を20分少々歩いてフェリーターミナルに到着。綺麗な建物をしており、映画館のようなカウンターで乗船券を購入します。

それでも40分ほど時間はありますが、フェリーターミナルの建物をうろうろしたり待合室で一休みしているうちに乗船の案内が流れたので乗ります。一瞬乗船券をなくしたかと焦って船を下りフェリーターミナルを探す危ない場面もありましたが、無事にフェリーに乗船してスペースを確保しました。

 

自動車を載せるなら事前予約ができますが、徒歩乗船(車なし)では予約ができません。ただ車両甲板を見る限りほぼ満車のようなので、もしかしたら徒歩乗船が断られる可能性はあったかもしれません。幸いそんなことはありませんでしたが…。



宇和島運輸フェリー 八幡浜FT15:35→臼杵FT18:00

中距離フェリーではよくある、座席のゾーンと何個かのブロックに分かれたカーペット敷のゾーンの客室がある船室でした。カーペット敷きでコンセント間際のところを確保しましたが、混雑を見る限り寝っ転がるのは難しそうです。

出港してしばらくすると佐田岬半島が見えてきます。四国の西の端に当たります。こちらからもフェリーがありますが、港までのアクセスが良いのは今乗っている便になるでしょう。*17

半島を抜け豊予海峡に入っても時折揺れは感じますが穏やかな船旅です。これならしばらくは今夜のフェリーも大丈夫でしょう。

 

定刻よりやや早く17:45過ぎに下船のアナウンスがありました。ほとんどの人が車利用のようで、徒歩乗船はざっと数えても10人いるかどうか…という印象を受けました。

 

ここから臼杵駅までのバスはありませんが、15分ほど歩けば着きます。道順も単純なので八幡浜よりアクセスは良好かもしれません。

 

臼杵は石仏の町で知られており、駅周辺にはいたるところに石仏の模型が置いてありました。



さて、このまま小倉に向かいます。JR九州は特急列車でのインターネット予約割引切符がとても充実しています。臼杵はすべての特急が止まりますが…

 

15時でみどりの窓口は営業終了、無人駅となります。券売機でも受け取れないので、15時以降に乗車する場合はあらかじめどこかで入手する必要があります…が、このインターネット割引切符がJR九州管内の駅でないと受け取れない仕様になっています。この時間だと近いのは大分くらいしかないのが難儀なところです。

この時間だと幸いにして大分まで普通列車で行っても特急には抜かされないのですが、逆方向だと切符を受け取る手段がありません。15時以降でも上下合わせて9本特急があるのに…。

便利って何なんでしょうね。

と思ったら、予約時のQRコードで乗車できるよう対応するらしく。それでも対象を見る限り肝心なところを対応できていないため片手落ち感は否めませんが…。

https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2023/11/29/231130_JR-KYUSHU_Train_Reservation_QR_ticketless.pdf

 

そんなことを思いつつ、乗る列車を待ちました。

 

普通 中山香行 臼杵18:42→大分19:28

ここからはJR九州管内、日豊線を北上します。こちらは全区間乗車したことがあります。

乗った電車は高校生の部活帰りと思しき人でかなりの席が埋まっていました。何とか席を見つけたものの、高校生の一団に交じって座るのはなんだか気が引けます。

以前乗った時はあまり思いませんでしたが、金属板に薄いクッションが張ってある座席はインターネット上で「座り心地が悪い」という評判です。確かに正鵠を射ているように思います。揺れが多く乗り心地もあまりよくないこともあるでしょうが…。

各駅に止まるもののほとんど乗り降りはありません。部活の一団もちらっと見えたジャージの刺繍からしてしばらく降りることはなさそうです。大会帰りなのでしょうかね。

もうすっかり日が暮れており、外もあまり見えないためスマホをいじるくらいしかやることがありませんでした。

 

大分に到着、15分後に特急がありますがその後の特急でも間に合うのでここで夕飯にします。

とはいえ40分少々しかないので、無難に牛丼チェーンに向かいましたが…。

おんせん県のロゴを見ると大分に来た感があります。今回は通過するだけですが…



特急 ソニック58号 博多行 大分20:12→小倉21:37

無事にネット予約の券を大分駅で受け取りました。ほぼ運賃で特急に乗れるのは大変お得です。

特急ソニックに充てられる車両は2種類ありますが、今回は古いほうに当たりました。それでも窓際にコンセントはあるので不便はしません。車内表示が大分寄りの端にしかついていないので、表示が見れないのが残念なところではあります。*18

乗るのは約3年ぶりですが、この間に車内放送が人の声から音声ソフトの声に変わりました。格調が低くなったような気がして、個人的にはあまり好みではない印象を受けます。色々と仕方ない面はあるのは十分承知しているのですが…。

さて日豊線は四国島内ほどではないにしろ、カーブが多く高速走行が難しい線区です。が、大分を出るとひたすら(四国特急で言うところの)伊予市~内子の爆走がひたすら続く印象を受けます。

 

夜間故車窓は特に期待できるようなものもなく、あっさりと小倉に着きました。

 

小倉で特に用はありませんが、まだ30分近くバスの時間があります。といっても駅の中をぶらっとするくらいしかやることもないので、早めに連絡バスに並びました。

北九州は松本零士の出身地らしく、銀河鉄道999のオブジェがあります



東京九州フェリー連絡バス 小倉駅22:10→東京九州フェリーターミナル23:00(22:50)

早めに並んで正解だったかもしれません。フェリーが満室であることは承知していましたが、連絡バスも2台体制で待機しているとは…。

 

当然ながらほぼ満員で発車。フェリーターミナルは市街地から外れていますが、このように連絡バスがあるので九州発着のフェリーは徒歩乗船も多い印象があります。関西の大学に通っていた時も、福岡や大分出身の方は当たり前のようにフェリーで帰省していました。

夜行バスより多少時間がかかるとはいえ、レストラン・風呂完備、しかも横になって寝れるだけの設備は十分に備え付けられている、それらを踏まえても夜行バスと運賃はほぼ同額。これは関西から九州方面への夜行バスが少ないわけですね…。

 

やがてバスがフェリーターミナルに着き、受付で乗船手続きを済ませてフェリーに乗ります。

フェリーを外から



東京九州フェリー 新門司FT23:50→横須賀FT20:45(20:30) 「すずらん

東京から九州方面へのフェリーはしばらく東京~徳島~北九州のオーシャン東九フェリーのみとなっていました。*19

しかし2021年6月に東京九州直通のフェリー航路が新設されました。1000kmほどを21時間で結ぶ俊足、船内の設備もよく評判は上々の様です。

ただ少しキャパシティが小さいようで、繁忙期は苫小牧~敦賀新日本海フェリー*20航路とトレードしての運航になります。この日も新日本海フェリー向けの船が充てられていました。

この船は新日本海フェリーに充当されていることがわかる

乗船に当たって、一点気になることがありました。

togetter.com

 

運航初日の横須賀→新門司のTwitterまとめですが、この日は悪天候だったこともありかなり過酷な航海になったようです。瀬戸内海を行き来するフェリーは何度か乗ったことがありますが、外海を長時間通るフェリーは初めてです。乗り物酔いしたことはありませんが、念のため乗船前に酔い止めを飲みました。

 

席…というより部屋は最下等のツーリストAですが、いわゆる桟敷の雑魚寝ではなくカプセルホテルのようなシャッターカーテンで隠れるベッドと小さいながら物置があり、「揺れさえしなければ」快適に過ごせそうです。

自室

と思っていたら…

なんだか面白く…いや酔い止めを飲んで正解だったかもしれません。

 

船内はやはり綺麗です。ぶらりとしているうちに出航しました。

そのまま風呂に入り、24:30に消灯となって1時前に就寝しました。

 

起きたのは8時ごろ、室戸岬の沖合でした。当然スマホの電波は入りません。Wifiもありますが…フェリーのそれはあってもしょうがない程度のものしかありません。というかWifiに接続してもインターネットに繋がりませんでした。

 

揺れは微かに感じますが、気になるほどの不快感はありません。

ぼんやりしていると船長からのアナウンスが入りました。

「天気は晴れ、気温21度、南の風10メートル、波の高さ1.5メートルです。概ね穏やかな海ですが、ところどころ今のような波が高くなることが予想されます」

うん、これなら大したことはないでしょう。

安心して朝食を食べました。船体後部にあり、席を選べば後面展望を見ながら食べることができます。

ちなみにレジはクレジットカードの決済に対応しています。電波状況が悪いフェリーでは大抵は現金でしか決済できませんし、今のように電波は入らないこともありますが、どのように解決しているか気になるところです。

朝食は和食プレート

8時を過ぎると船内設備が広く利用できるようになります。卓球台やエアロバイク、ゲームコーナー、カラオケルームなどが海の上を28ノット(約51km/h)出す船の中にあります。なんとも驚くものです。

さて、自室にいても外は見えませんし、どこか落ち着ける場所を探しました。中央部の広いスペースはほぼほぼ席が埋まっています。

家族連れが多いようで船内の共用部は騒がしいですが、先頭部にあるフォワードサロンは静かです。共用部から見ると客室を通った最奥部に当たるため目立たないこともあり、自室にいないときはここにいる時間が長くなりました。

外に近く、比較的電波の入りもよい

10時前に起きてから初めて電波が入りました。潮岬の手前50kmほど、この辺りの電波をとらえたのでしょう。

10時過ぎに横須賀発のフェリーとすれ違います。フォワードサロンは前を見られる窓があるので、すれ違う様子がよく見えました。

反航時はお互いに汽笛を一声する

その後共用部で大道芸人によるショーがあったり、大部屋で映画観賞会があったりと船内イベントが続きます。ただショーを見た後で眠くなり、自室に戻りました。あと船内BBQとかクロスワード懸賞もありましたが、全部落選してしまいやることもなくなったので…。

 

目が覚めると14:30ごろ、志摩沖を航行していました。レストランはありますが常時営業ではなく、昼食を逃してしまいました。

 

電波が入ったのは16:00ごろ、御前崎沖からです。この後は入港まで安定して入り続けたので、横須賀発だと昼間~午後がしばらく電波の通じない時間帯になるようです。豊予海峡に関しては分かりませんが、宇和島運輸フェリーの様子を見る限り室戸岬を回ればほぼ安定しているものかと思われます。

 

17時に夕食の時間が始まると、早々にレストランに入り夕飯としました。席は朝食同様海の見やすい窓際にしました。日がだいぶ傾いており、良い眺めを見ながら食べられました。

宮崎産の豚を使用したトンカツ定食

自室に戻りさらにひと眠りするともうそろそろ東京湾に入ろうか、というところでした。20時に各種施設が閉鎖されるので、閉鎖前に再度風呂に入り、下船の準備を始めます。直近の案内では15分程度早着する見込みとのこと。海上が落ち着いていたからでしょうか。

 

その案内通り、20:30ごろに下船を開始しました。20:40ごろに徒歩乗船の客も下船が案内されました。

横須賀FT着。長旅も終わりです。

21時間弱、楽しい船旅でした。長距離フェリーは夜行列車や夜行バスとはまた違った雰囲気があり、余裕を持った手段でもあるためゆったりとした時間を過ごすことができました。

 

横須賀のフェリーターミナルからは京急の横須賀中央が徒歩圏内です。歩いて15分弱で着きますが、道が暗いのが難点でしょうか。

このまま京急に乗り、横浜で乗り換え帰宅しました。

 

帰宅してからもまだ揺れている感覚がしました。陸酔いは嫌いな人も多いようですが、個人的にこの感覚は嫌いじゃありません。

 

おわりに

 

ひたすら移動してばかりの日程でしたが、私としてはほぼ行程通りに進み目的だったJR四国の完乗と東京九州フェリーの乗船ができ満足しました。私鉄は…そのうち。観光も…そのうちちゃんと行きたいな。1日有休取って土日込みの2泊3日だとなかなか厳しいのが辛いところではありますが…。

 

なお、旅程はこちらにまとめています。長くなってしまったので、もし参考にされるならこちらを見たほうが早いかもしれません…。

app.tripqot.com

*1:購入時に公的身分証の提示が必要

*2:観光列車で一部制限あり

*3:実際は2+2で、繁忙期に3+2にするのが一般的なようです

*4:しかも高速道路は比較的まっすぐに山地を貫いている

*5:自動放送での車窓の案内はほかに瀬戸大橋があります

*6:JR四国のラッピング車両として有名なのがアンパンマン列車ですが、これも時折アンパンマンじゃないものが混ざっていることがあるようです。

*7:逆に言えば、それだけ検札・改札をしっかりしているとも言えます。これは3日間乗ってみてそう感じました

*8:CV.戸田恵子

*9:もうちょっと大洲方面に行けば「ンョ゛ハー ゛」の看板があるショッパーズ長浜店があります

*10:多度津からは今朝乗った新型車両での運転なので、コンセントがあるのが確約されています

*11:室戸岬付近にも礼所がある

*12:ドアチャイムがN700系の音で東西どっちやねん感はありますが

*13:すまいるえきちゃんを見逃したのが不覚…

*14:当プランでも当初検討していましたが、ギリギリ繋がらず断念

*15:松山を1時間半後に出て、別府に向かう択もあります。プラン立案時点では夕方便の接続が微妙にかみ合わず断念しましたが、早く向かう手もあります

*16:実際、この区間の走りは全国の在来線特急で見ても上位に顔を出す程度の速さです

*17:徒歩乗船としては、佐田岬側へのアクセスがかなりシビアなのが難点になります

*18:あまり触れていませんが、車内表示の中でも特にLED表示が各社の個性が出て好きです。LCD表示だとある程度画一化されてきていますしね…。

*19:これはこれで5/5のダイヤが変更されており、何とか組めるかも?と検討したことはあります

*20:東京九州フェリーと同じグループ会社による運航