雪見の露天風呂を求めて水上温泉の最奥へ(2023.02.22~02.23)

どうもみなさま、78Pでございます。

 

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misskey.Backspace.fmでの事前告知と投票では2023年10月の旅行の予定を書く予定でしたが、諸事情により2023年2月の旅行に変更させていただきます。申し訳ございません。

 

なお、この記事は早川さんアドベントカレンダー Advent Calendar 2023の12/19分として投稿しております。他の方々により素晴らしい記事が多数掲載されておりますので、以下のリンクからご一読くださいませ。

adventar.org

はじめに

2月上旬…

雪を見たいし温泉にも入りたい、雪見の露天風呂に入りたいな。そう思い雪見の露天風呂を楽しめる宿を検索して空き状況と値段を見ることを始めました。

条件の合う宿が…見つかったので計画を練りました。群馬県の北部、みなかみの宿だそうです。利根川の源流に近い秘湯とのこと、冬季はこの宿の先からは通行止めだそうです。

 

さて何度も旅行をしていますが、宿に重きを置く旅行というのは初めてです。

宿以外の要素は多少取り込みつつ、宿になるべく長く滞在する計画を組めたので各種予約を入れて準備完了です。

 

1日目(2/22)宿まで

まずは東京駅から上越新幹線、とき309号に乗ります。

そして降ります。



上越新幹線に乗るのは初めてですが(高崎以南は北陸新幹線から直通で乗車済み)、初めて降りる駅がここになるとは思いませんでした。

みなかみ町内の新幹線駅に当たりますが、町の中心部ではなく在来線の駅も隣接していないので静かな駅です。

ここでレンタカーを借り、最初の目的地へと向かいます。道路の雪は除雪されていますが、既に多少の積雪があります。

上毛高原下車直前



谷川岳ロープウェイ

上毛高原駅から車を走らせること40分、国道291号線冬季閉鎖区間の直前にあります。なお、冬季は谷川岳資料館は閉鎖しています。ここまでは車が立ち入れるようになっていますが、特にそれ以外に何かあるわけではありません。

とても分かりやすい冬季閉鎖区間の始まり

ぐんまちゃん(スキーヤーモード)かわいい。



そして往復券を買って向かいます。

 

降りた先は天神平スキー場になっています。夏であればここのリフトを利用してさらにハイキングに向かうことができますが、ゲレンデになっている今は手ぶらで迎えるのはここまでです。

ちなみにロープウェイ下もスキー場のコースとなっているようです。

www.tanigawadake-rw.com

遠くに頂上が見えます。山の向こうはかの清水峠、そして新潟県へと続きます。

レストランの看板を信じたらこの向きのはず

 

頂上駅に隣接してレストランがあり、ここで昼食としました。

 

土合駅

谷川岳ロープウェイから2kmほど戻ると、ログハウス風の駅舎があります。JR上越線土合駅です。

 

ここは特に下りホームの特異な構造が知られています。上り(水上・高崎方面)ホームははごく一般的な地上駅ですが…



下り(越後湯沢方面)ホームは改札(といっても無人駅なのでその跡があるだけですが)から長い階段を降りた先にあります。

その段数、486段。地下深くにあることから、モグラ駅という愛称(?)もあります。

 

下りホームにはプレハブの待合室があります。以前はいつでも入れましたが、利用客のマナーの悪さから夜間は閉鎖になりました。なお、ベンチこそありますが落書きや書き置きのメモで壁中埋め尽くされており、あまり落ち着ける雰囲気ではありません。

また地ビールの貯蔵庫もあります。毎年秋に振る舞われているそうです。

 


さて出口に向かう階段を見ると、462段の真っ直ぐに伸びた階段に圧倒されます。ご丁寧に5段おきに段数が振られています。

踊り場には時折休憩用のベンチがありますが、ここで降りるとなるとそれなりの覚悟が必要なことは間違いないでしょう。


登りきっても改札はまだ離れています。長い通路を通り、その間に更に24段上ってようやく着きます。

谷川岳への登山を目的として開設された駅ですが、東京方面から来た場合は降りてからいきなり第0ラウンドが始まるような感覚でしょう。

やっと終わり…じゃないんかーい!



宿へ

時刻は14時前、いい頃合いなので宿に向かいます。

一旦湯檜曽まで戻り、県道63号で藤原方面に向かいます。夏季であれば尾瀬への抜け道になりますが、今は途中で冬季閉鎖区間にぶつかります。

 

利根川沿いに伸びる山道を進みます。片道1車線ありますのでそう苦労はしません。

県道沿いに向かえばいいのですが、川沿いのダムや発電所に向かう分岐がありやや分かりにくいところもあります。(1敗)

 

湯檜曽の分岐から30分ほどで宿が見えてきます。時刻は14:45ごろ、普段の私の旅行では考えられないほどの早い時間の投宿になりました。

スキー場もいくつか点在する雪の多い地域ゆえ、駐車場に屋根があるのが嬉しいところです。

車の中で荷物を整理していると番頭らしきおじいさんが迎えてくれました。15時からのチェックインを待ってると勘違いさせたのかもしれませんが、ともかくも準備ができたのでチェックインします。

おじいさん、案内中に雪で滑って強かに腰打ってたけど大丈夫だったのかな?

 

宿1日目

というわけで、今回の宿はここになります。

www.ryuudou.com

利根川の最奥近くにひっそりと佇む、18か所のコンセプトの分かれた源泉かけ流しの貸切風呂が楽しめる、をコンセプトにした温泉宿です。利用の制限はほぼなく、ゆったりと楽しむことができるようです。リピーターが半数以上なのだとか(件のおじいさん談)。

 

チェックインを済ませると先ほどのおじいさんが案内してくれます。宿泊棟は離れの1部屋以外3つの建物に分かれており、泊まる部屋はフロントとは別の建物にあるようです。また温泉は大きく2か所に分かれており、それぞれにある札置き場から各風呂場に対応する札をもって入り口にかけ、これでその風呂は入浴中とするような運用になっています。

混雑した際が心配になりそうですが、部屋数は22室しかなく、一部の部屋は内湯もあるため(さらに内湯2か所と先ほど入った共同風呂)、どこにも入れないということはないようです。

泊まる部屋は和室の10畳間で、一人で使うには贅沢な広さです。もちろん例のスペースもあります。

ひとまず荷物を置き、浴衣に着替えます。なお貸切風呂は基本的に湯舟しかないため、共同浴場か内湯で体を洗ってから入るように説明を受けました。

 

というわけで共同浴場で体を洗い、貸切風呂巡りを始めます。

以下は訪問順です。空き具合などを見ながら入ったので、場所はバラバラです。

渓龍(渓谷風呂)

ここだけ夜間は閉鎖されるため、先に入ることにします。

 

貸切風呂は2か所に固められていますが、ここだけ他と独立した小屋にあります。一応敷地内は除雪されていますが、なぜかここに向かう道は除雪がなく裸足にサンダルで突入する羽目になりました。

とはいえ、風呂場に着くと「貸切している」感が大きい風呂です。上がって一息つける椅子もあり、のんびりするにはいいでしょう。雪のない時期に向いているのかもしれません。

 

貸切風呂なので風呂の写真は撮り放題です。

竹龍(竹林風呂)

フロントのある建物にあります。

川沿いにあるため川のせせらぎを聞きつつ湯舟の外にある竹でヒーリングする…のでしょうが、

冬なのか竹がありませんでした(枯れているのか撤去しているのかは不明ですが…)。

渓龍を除き各風呂を巡るスタンプラリーがあります。館内案内がスタンプ欄になっており、スタンプ台が各風呂の脱衣所付近にあるのでこれを持って湯めぐりするとよいでしょう(濡れた手で持つことが多くなるため、そこだけは気を付けたほうがいいと思います)。

石龍(石風呂)

湯舟が石でできています。お湯の注ぎ口が龍になっています。

竹龍の隣ですが、積雪の加減か川は見えません。

 

川龍(大露天風呂)

大露天風呂は2つありますが、そのうち川のような細長い形をしている風呂になります。

十数人は余裕で入れそうな大きさですが、これを1グループ…いや私一人で貸し切れる贅沢。至高ですね。

古民家を改装した建物やフロントそばにあるフリースペースでフリードリンクをしたり漫画を読んだり、自室に戻ったりそのついでに布団を敷いたり(布団敷はセルフサービス)と、意外と湯めぐり以外でも楽しむことができます。

ほぼ満室でも貸切風呂は概ね順調にめぐることができましたが、こうして貸切風呂を全制覇する人は案外少ないのかもしれません。お湯はどの風呂も同じですし、無臭無色で癖のない湯質ということもあり風呂そのものの感想は薄くなりがちです。

 

夕食

そうこうしているうちに18時になりました。夕食の時間です。夕食は部屋食ではありませんが、食堂が各部屋それぞれ個室で設けられています。

この日のメニューはみなかみの山の幸と上州牛を基本とした会席料理でした。

私はどちらかと言えば焼酎が好みであまり日本酒は嗜みませんが、今回は温泉旅館らしく(?)日本酒を注文します。みなかみの隣、川場村の酒のようです。

美味い。日本酒はどうしても味が苦手、という理由で敬遠していましたが、甘めでさっぱりした味わいだと感じました。日本酒も探してみようかなあ。…そして執筆時点では旅行先で美味い日本酒を探しに居酒屋に飛び込むようになりました。それありきの旅までするとはねえ…(いつか書きます)

 

料理の味は…まあ美味しくないわけがないですね。量も多く満足が行きました。多少配膳がゆっくりだったのは、おそらく一人向けのオペレーションがないからでしょう。仕方がないことです。温泉宿に一人で泊まれるプランがあるだけありがたい話です。

 

一息ついて湯めぐりに戻ります。

 

香龍(香り風呂)

一応石造りの風呂ですが、香りは分かりませんでした。夕食のせいでは…多分ないと思います。

風向きの加減か風呂近くまで雪が吹き込んでおり、床が非常に冷たくなっています。寒いところにある露天風呂の宿命ではあるのですが…。

 

木龍(檜風呂)

こちらは紛うことなき木造りの風呂です。よほどこちらのほうが香り風呂に向いていそうな気がしますが…。

湯がなみなみと入れられており、入れば確実に溢れます。まあ贅沢だ、と言えばその通りでしょう。

壺龍(壺風呂)

名前の通り陶器の壺に湯が張られています。2人入るのがやっとのサイズです。

柵に小さな雪だるまが作ってありました。かわいい。

暗龍(洞窟風呂)

岩のように見せた壁に囲まれた薄暗い部屋の中の風呂です。入った時にはなぜか緑の電灯で光らせていました。

風呂の外も室内なので、冬でも寒くないのが特徴ではあります。

 

蒸龍(サウナ付き風呂)

ここまでいつ見ても使用中になっていましたが、おかしいと思いスタッフに確認するとどうも前の利用客が札を戻し忘れていただけのようです。

 

サウナと風呂があります。他の湯舟は概ね40~42度前後の入りやすい湯温になっていますが、この風呂に限り34度台に調整されています。

水風呂にしないのは露天だからでしょうが、この温度だとぬるすぎて出るタイミングをつかめません。サウナは湯舟のすぐそばにありますが、それにすら…

ちなみに風呂はいつでも入れますが、サウナは23時~翌8時は休止しています。

楽龍(内風呂付き風呂)

おそらく一般的な宿の大浴場として想像されるであろう、建物内の内風呂と露天風呂で構成された風呂です。

内風呂にはシャンプーとリンスも備え付けてあるので、湯めぐりをここから始めるのも手でしょう。共同浴場と他の内湯はスタンプラリーの対象にならないので…。

双龍(二槽風呂)

プラスチック製の寝風呂と木製の桶風呂が並んでいます。

一応露天風呂ですが、すだれが降ろしてあるのと雪で外は何も見えませんでした。夜だから…ではないと思います。

ちなみに私は桶風呂のほうが好みだと感じました。

 

ここでチェックインからずっと「湯張中」になっている泡龍が気になっていました。

紹介写真を見る限りは大きな湯舟ではなさそうなので、7時間近く経っていてまだ入れないことはなさそうなこともありスタッフに確認してみました。

「すみません、これもう入れそうですね…湯温ちょっと低いですけど大丈夫ですか?」

風呂は熱めよりはぬるめのが好きなので大歓迎です。

 

泡龍(泡風呂)

ようやく入れましたが、ある意味で最も度肝を抜かれた風呂でした。

なんでこんな照明なのか、暗龍以上に謎です。

泡風呂自体はごく普通のジャグジーで、露天風呂で昼間なら眺めがよさそうなこと以外に特筆すべきことはありません。

 

星龍(星風呂)

宿の案内では「あたりが暗くなってからの入浴をお勧めします」とあるので、ここに入って今日は終了としましょう。

暗くした東屋に石造りの風呂があります。壁は洞窟風になっており、洞窟風呂の一種と言えるでしょう。

 

スイッチを押すと…風呂の底にあるランプが光ってこうなります。一度かき混ぜるなり風呂の中を歩き回るなりしてからつけるのがいいのかもしれません。

ここで一日目の入浴を終えました。スタンプラリーの対象になる風呂は12/18で入ったので、チェックアウトまでに入れそうです。

自室に戻って持ち込みのお菓子を肴にしつつ、夕食で少し余ってしまった水芭蕉を飲み切りました。今度見つけたら買おうかな?といいつつ、売っているのを見たことがありません。

2日目(2/23)

7:45過ぎの起床になりました。朝食は8時からなので、そのまま朝食会場に向かいます。玄関にある温度計は-3℃を指していました。

朝食の時間は夕食後に選べますが、8時か9時か10時かからとのこと。こういう宿なので、朝早くに発つ人もいないのでしょう。

朝食は湯豆腐をメインにした和食膳でした。朝からは少し重たいかも…?

 

朝食を食べ終わったので残りの湯を制覇します。一応内湯で体は洗ってから湯めぐりに赴きました。内湯の湯温が高くてびっくりしました。

 

大龍(大露天風呂)

川龍と並ぶ二大露天風呂です。数十人単位で入れるでしょうが、もちろんこの札を持っている間は私だけの貸切です。

夜に入った風呂が小さめの湯舟が続いただけに、大きさに圧倒されます。

和龍(和風風呂)

日本庭園を見ながら入れる風呂…のはずですが…

それらしきオブジェクトが雪に埋もれていました。竹龍並みにコンセプトが崩壊してしまっていますね…。

 

岩龍(岩風呂)

岩風呂、というよりは岩窟風呂のような雰囲気です。あくまで雰囲気で、岩は雰囲気を出すための模造品と思われます。

風呂の入り口に屋根がなく、雪が積もっているため入りにくい風呂ではあります。隣の音龍はそうでもないのですが…。

 

音龍(せせらぎ風呂)

大龍や川龍ほどではありませんがこちらも大きな湯舟です。川沿いに最も近く、川のせせらぎを聞きながら入浴できる風呂です。

さて、残すはあと1か所ですがここは札があるのをあまり見かけません。蒸龍と違い誰かが返し忘れているわけではなさそうですが…

今見たらありました。入ります。

 

飛龍(テラス風呂)

椅子と一人が足を延ばすくらいの大きさの風呂があります。木龍と違い川が見えるので眺めがよいのですが、これが人気の理由なのかは正直分かりません。

というわけで10時過ぎにすべての湯めぐりを完了しました。共同浴場のそもそも入れない女湯を除いて内湯まですべて入りましたが、どこかに館内案内を置き忘れてしまい景品を受け取れませんでした。不覚。

 

チェックアウトは11時なので、帰り支度をして帰ります。ほぼチェックイン~チェックアウトまでフルに宿に滞在したことになりますね。

帰路

レンタカーは上毛高原で戻してもよかったのですが、ちょっと乗りたいのがあり渋川まで行って返却しました。関越道に乗り休憩を抜いても1時間半ほど、水上インターまででも50分近くかかったので、アクセスはやや遠く感じるものがあります。それでも行く価値は十分にあるでしょう。

 

渋川で昼食を取り、草津2号で上野に戻ります。

3月での完全引退が予告されていた651系、最初で最後の乗車になりました。熊谷までは元常磐線のエースらしい快走を見せてくれました。どうしてもそこからは列車の本数が多くなり、遅くなるのは宿命でしょうが…。

 

上野到着前に鉄道唱歌のチャイムが流れました。オルゴールではありませんが、車内で聞くのはそう言えば初めてかもしれません。

 

終わりに

宿の項では湯船に散々突っ込みを入れていましたが、総合的には満足いく宿でした。温泉につかり続けたので、気づいたら肌がすべすべになっていました。

スタッフ曰く2022-23のシーズンは雪が少なかったとのことですが、それでも雪見風呂を堪能させていただきました。

一人だと1泊2食2万ほど、たまの贅沢ならありかな?という印象です。再訪したいですね。

 

あと、厳冬期に行く際は足元に十分ご注意ください。実は2日目の朝(時間軸的には内湯に入った直後です)滑って転倒し、左足首を捻挫してしまったので…

 

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